リチウムイオン電池とは

リチウムイオン電池はリチウムから電子を取り出すことで、電流を発生させる二次電池です。

電池の基礎となる正極、負極、電解質の組み合わせは様々ありますが、主に正極にコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属複合酸化物、負極に炭素材料、電解質に有機溶媒を用います。

リチウムイオン電池におけるリチウムイオンのやり取りは「インターカレーション」という現象で行われ、一般的な電池(溶解・析出反応)とは異なります。
※インターカレーションはミルフィーユのような層状化合物の隙間に元素が出入りする現象のことをいいます。

リチウムイオン電池の場合、正極ではコバルト酸リチウムの隙間、負極では炭素結晶の隙間にリチウムやリチウムイオンが入り混むように移動し、これにより発電が行われます。

また、インターカレーションは可逆反応の精度が高く、リチウムイオン電池は繰り返し充電にも強くなります。

リチウムイオン電池に似た名前の電池としてリチウム電池があります。

正極にリチウム金属を使うため、リチウムから電子を取り出すという原理はリチウムイオン電池と同じです。
しかし、リチウムイオンのやり取りに、溶解・析出反応を使うため、インターカレーションを使うリチウムイオン電池とは区別されています。

1.リチウムを使うメリット

リチウムを使うメリットは大きく2つあります。

① 起電力を高くできる
② 軽い

起電力は正極と負極の電位差で決まり、標準電位が低い物質と高い物質を組み合わせることで起電力は上がります。 リチウムは物質の中で最も標準電位が低いため、電極にリチウムイオン電池を使うことで、これまで1.5V〜2V程度だった起電力を3.7Vまで向上させられるようになりました。

もう一つのメリットは軽さです。持ち運びを考えると電池は出来る限り軽くしたいため、水素、ヘリウムに次ぐ軽さのリチウムは電池に最適な物質になります。

2.日本人がリチウムイオン電池を実用化

リチウムは電池に必要な条件である高起電力と軽さという2つの要素を持っています。
しかし、リチウムは反応性が高く、空気に触れただけでも発火する物資です。
そのため、すぐには実用化されませんでした。

実用化に大きく貢献した人物として

①スタンリー・ウィッティンガム氏
②ジョン・グッドイナフ氏
③吉野彰氏

の3名がいます。
3名とも2019年のノーベル化学賞を受賞していますが、その中でも実用化に大きな貢献をしたのが日本人の吉野氏です。

簡単に開発の歴史を説明します。

スタンリー・ウィッティンガム氏がインターカレーション現象を発見し、負極にリチウム金属、正極に二酸化チタン(層状)を用いた充電が可能なリチウム電池を開発します。しかし、充電時にリチウム金属の方に針状の結晶ができる問題がありました。充電を繰り返すことで結晶が大きくなり、遂には正極に達することで回路がショートすると、火災につながることから実用化が遠のいていました。

さらに、起電力は2Vで、これまでの電池とあまり変わらないことも普及しなかった大きな理由です。


掲載元:日経サイエンス(https://www.nikkei-science.com/?p=59824)

ジョン・グッドイナフ氏は負極にリチウム金属、正極にコバルト酸リチウム(層状)を使いました。
ジョン・グッドイナフ氏のすごいところは「始めからリチウムを含んだ物質を正極に使った」ことです。

これまではリチウム金属から出るリチウムイオンを負極の物質に格納するという発想でした。しかし、ジョン・グッドイナフ氏はそれとは逆の発想で、すでに格納されているリチウムイオンを負極のリチウム金属にくっつけることで電力を発生させることに成功し、これにより起電力4Vの電池が完成しました。

しかしその後、研究は継続されませんでした。


掲載元:日経サイエンス(https://www.nikkei-science.com/?p=59824)

最後に、吉野氏の貢献です。

スタンリー・ウィッティンガム氏がインターカレーション現象を電池への応用し、ジョン・グッドイナフ氏が正極の素材を発見。最後に吉野氏が負極の素材を発見したことでリチウムイオン電池は実用化にこぎつけました。

吉野氏が最終的に負極材として選んだ素材は「炭素」ですが、初めはポリアセチレンを使うことから始めています。(参考書籍:電池が起こすエネルギー革命)。

リチウム電池を作るためには正極か負極のどちらかにリチウムが含まれている必要がありますが、吉野氏が期待する負極材料ポリアセチレンはリチウムを含んでいません。

負極にポリアセチレンを使用したリチウム電池を作るためには、正極の素材がリチウムを含んでいることが必要になります。ところが、過去の研究事例では負極にリチウムを使っているものしかなく、正極にリチウムを使っている事例はありませんでした。

そのため、吉野氏はリチウムを含む正極の素材をゼロから探す必要がありました。

その過程で出会ったのが、ジョン・グッドイナフ氏の正極、コバルト酸リチウムです。負極にポリアセチレン、正極にコバルト酸リチウムを使用した電池により、見事リチウムイオン電池が完成しました。しかし、それはあくまで市場のニーズとしてではなく、研究開発段階の話。

ポリアセチレンでは、小型化できないという大きな問題がありました。そこで、吉野氏が目を着けたのが「炭素」だったわけです。

これにより実用化できるリチウムイオン電池が完成しました。


掲載元:日経サイエンス(https://www.nikkei-science.com/?p=59824)

3.リチウムイオンイオン電池の活用場所

リチウムイオン電池は小型でメモリー効果が起きないため、頻繁に充電を行ったり、満タン状態でも充電し続ける製品に多く使用されています。例えば、スマートフォン、パソコン、時計、イヤホン、デジカメなどです。

さらに、大型化させることで、自動車や災害時用バッテリー、大型蓄電池用としても活用されています。

4.リチウムイオン電池の危険性

リチウムは空気や水に触れただけで反応するほど反応性の高いものになります。
下記に東京消防局が行っているリチウムイオン電池の危険性の実験をお見せします。

過充電などで電池の温度情報や外的な力が加わることで、発煙から発火、時には爆発することもあります。

そのため、電池として安全な構造を作ることはもちろん、安全な運用も求められます。
特に、大型になると発熱量が増えるため、温度管理や劣化を早めに検知する機能も求められます。

5.大型リチウムイオン電池を安全に保護するために

大型リチウムイオン電池を安全に運用するためには

①電池の制御
②外的要因から電池を保護

することが必要になります。①の制御が正常に行われるためには、②の外的要因からの保護が大切になります。

ここでいう、外的要因とは、雨、積雪、高温、粉塵、防風、地震などの自然環境です。

電池を外的要因から守るために「収容箱」と呼ばれる設備に保管します。
収容箱は外部環境から精密機器を守るための施設で、基地局や局舎、シェルター、エンクロージャー、筐体と呼ばれることもあります。

収容箱には大きくコンテナ型とキュービクル型の2つのタイプがあり、設置環境やサイズによって使い分けを行います。
収容箱の内部には電源、空調、セキュリティー機能があり、外部は特殊塗装などを施し、サビなどの経年劣化から設備を保護しています。

6.三翠社のコンテナ型蓄電池のコンテナ製造技術

電池工業会の会員である三翠社ではコンテナ型とキュービクル型両方のタイプの収容箱の製造を行っています。
これまで富士電機株式会社様や株式会社エネマン様など多くの企業に蓄電池用収容箱を納品してきました。
※三翠社の取引企業はこちら

平坦なところから、豪雪地帯、海沿い、島、山林など様々な環境に設置してきた経験、火災予防条例に対応できることもあり、弊社の蓄電池用収容箱の製造技術は高く評価されています。
※設置環境についてはこちら
※火災予防条例についてはこちら

特に、コンテナ型については輸送の便利さもあり、多くのお客様にご利用いただいています。

これから蓄電池を保護するための設備をお探しでしたら、是非弊社にご相談ください。気をつけるべきポイントなどすべてご提案させていただきます。

よろしくお願いいたします。